第34章 本選
ルナは控え室から、闘技場に立っているサスケと我愛羅を見ていた。
(我愛羅……私は君のことも好きだけど、もし君がサスケを殺しそうになったら、その時は止めさせてもらうからね……)
ルナはサスケを守るために、手段を選ばないつもりだった。
「では、始め!」
月光ハヤテが、試合開始の合図と共に、サスケと我愛羅から離れた。
瞬間、二人の間の空気が変わった。
試合開始と共に、我愛羅の瓢箪から、砂が噴き出た。
サスケは警戒を強め、我愛羅から離れた。
我愛羅は突然頭を押さえて、呻いた。
「待っててよ、母さん……今美味しい血を……吸わせてあげるから……」
「?」
(⁉︎……なんだ、あいつ?)
サスケには我愛羅の呟きの意味はわからなかった。
頭痛が治ると、我愛羅はサスケを見た。
「ぐっ……来い。」
それを見てサスケは、攻撃を開始した。
「……行くぞ。」
サスケはそう言って、ホルスターから二つの手裏剣を抜き、投げた。
それを我愛羅の砂の盾が受け止め、砂はそのまま、砂分身になった。
砂分身は変形し、一直線にサスケに向かって来た。
サスケが跳び上がってそれを交わすと、砂分身はサスケがさっき投げた手裏剣を、投げ返して来た。
サスケは我愛羅の頭上から手裏剣を投擲し、飛んで来た手裏剣にぶつけ、弾いた。
そして落下した時に溜まった運動エネルギーを込めて、砂分身に蹴りをぶつけた。
砂分身がそれを手の甲で受け止めると、サスケは手で着地し、そのまま跳ね上がって、砂分身の首に腕を叩きつけた。
しかし、砂分身はサスケの腕を飲み込むように変形し、ニヤリと笑った。
サスケは拘束されていない方の腕で、砂分身の頭を思い切り殴りつけ、吹き飛ばした。
砂分身を撃破したサスケは、そのまま本体に突っ込んで行った。
サスケを我愛羅の砂の壁が阻む。
しかしサスケは、我愛羅の砂の壁以上のスピードで、我愛羅の後ろに回り込み、頰に一撃を食らわせた。
サスケの攻撃を受けて、我愛羅は転倒した。