第34章 本選
次の試合はシカマルVSテマリだった。
ルナはシカマルの影真似の術や影首縛りの術をちゃっかりコピーした。
この組み合わせが原作通りだったことに、ルナは歓喜していた。
原作通り、試合に勝ったのはテマリ、勝負に勝ったのはシカマルだった。
(よっ、未来の夫婦!)
ルナは心の中で二人を冷やかした。
次はサスケの試合だということで、サスケの同期達や会場は、早く始まらないかと思い、うずうずしていた。
「キャー!サスケくうーん!」
「おい!あれがうちはの末裔か⁉︎」
「うちはの試合が始まるぞ!」
いのが叫び、会場からもサスケの試合を待ちわびる声がした。
「サクラー!アンタんとこのチームってなーんかスゴイわねー!」
いのが隣に座っていたサクラに話しかけた。
「なにがぁ?」
サクラが訊いた。
「だって、ナルトにしたって日向ネジをやっつけちゃうとは思わなかったし、レイ君はすっごく強いし。
サスケ君だってうちはのエリート!みんなサスケ君の試合見たくてウズウズしてるみたいだしねー!」
「そうね……」
サクラは呟いた。
(サスケ君やレイ君、ナルトに比べて私は……)
サクラは自分とルナ達の間にある差を悟って、溜息を吐いた。
次の試合は、我愛羅VSサスケだ。
なんとなく、無駄に死体を転がしたくないルナの影分身は、
控え室から闘技場までの道で我愛羅を待ち受けている草忍に、声をかけた。
「どうも、草隠れのお二人さん。」
「‼︎お前、さっきの……!」
二人はルナの影分身を発見して、少し身構えた。
「まあ、そう斜に構えないで下さいよ、じゃあ、おやすみなさい♪」
ルナの影分身はそう言って二人に手刀を入れ、気絶させると、二人を脇に抱えて、会場を出た。
会場の外に出ると、ルナの影分身は二人の頰をペチペチと叩いた。
「あのー、お二人とも、起きて下さい!」
「……ん?あ、お前!」
目覚めた草忍は、ルナの影分身を威嚇した。
「そう怒んないで下さいよ。それはそうと、我愛羅に突っかかると、命がいくつあっても足りませんよ。
次は助けられませんから。じゃ!」
ルナの影分身は意図がバレていたことに驚く二人を放って、会場に戻った。