第34章 本選
「さっき勝ったヤツ、なんて言うんだっけ?」
「えーと……皇レイ、っていうらしいぜ。」
「そうか……アイツ、今回のトーナメント最強じゃないか?一瞬の隙も無かったし。
あんなに火遁使いまくって、全くチャクラ切れ起こしてなかったみたいだし………」
「ああ。逆になんで下忍やってんだろうな。暗部とかに引き抜かれてもおかしくないだろうに……」
「どうやら、卒業したてのルーキーらしい。しかも噂では、火影様の遠縁だって……」
「え、マジで………」
ルナの試合を見ていた忍たちは、こそこそと噂した。
ルナは退場間際に、風影に化けている大蛇丸の方を見上げた。
(大蛇丸さん……私、三代目を死なせる気はありませんからね………)
大蛇丸はルナが自分の方を見ているのを見て、マスクの下でにやりと笑った。
(流石ルナちゃん………全てお見通しのようね……でも、流石に木ノ葉崩しの事は知らない筈………
………先生には死んでもらうわ……まあ、取り敢えず、貴女の試合は見事だったわ…………
あれだけ威力の高い火遁をずっと使い続けて…全く疲れた素振りを見せない…素晴らしいチャクラ量だわ……
死の天使の名は伊達じゃなかったわね……もっとも、仲間が見てるせいか、殺しはしたがらないようだけど………)
大蛇丸は、ルナの身体を乗っ取る日のことを考えてワクワクし、ニヤニヤと笑った。
ルナは控え室に戻り、木ノ葉崩しにどう対応するか、考えた。
(三代目を助けるのはいいとして……誰かに見られたら面倒だな。適当に結界張っとくか。
サスケには影分身数体をつけて守らせて……ほかはまあ、影分身に適当に片付けてもらうか。)
ルナが手順を確認していると、ナルトとサクラがやって来た。
「よー、レイ!試合見てたってばよ!」
「あー、ありがとう……」
「にしても、レイ君、試合前、やたら緊張してたみたいだけど、どうしたの?」
「え、あー……実は俺、虫苦手なんだ……だから、あの子が虫使いだって聞いて、ビビっちゃったのさ。」
ルナがそう言うと、サクラとナルトは、
「レイにも苦手なものあるんだ……」
と驚いていた。