第7章 入学宣言
ルナはまず、吸収系統の練習をした。
「相手からエネルギーが流れ込んでくるイメージで、命あるものに触れてみて下さい。」
ルナが草を千切って命遁を発動すると、草は一瞬で塵になった。
「では今度は、コントロールの練習をしましょう。まずは草を萎れさせて下さい。」
これが意外と難しくて、やっと出来た時には、あたりの雑草が全部無くなっていた。
「これさえできれば、吸収系統は問題ないので、術はご自分で考えてみて下さい。ルナ様ならできます。
次は、放出系統の練習をしましょう。
ルナ様の再生力なら自己再生は使えなくてもそれ程問題はありませんが、
自己再生の方が再生スピードが速いので。印は片手でこんな感じです。」
「はーい。じゃあまず、怪我しないとだね。
…………痛いの、やだなー。」
「私の様に腕を切り落とさないで良いんです。手のひらを切る程度で。」
「は〜い。」
ザクッ!
「いたたた………
命遁・自己再生!」
ルナはさっき教えてもらった片手印で術を発動した。
すると、傷は一瞬で塞がった。
「うーん、切り傷程度だと、あんまり差がないね。」
「大怪我した時に、戦闘不能になる時間が少なくなりますから。
さ、その調子で、今度は他人の傷の治し方を憶えましょう。那由他!」
「へ〜い…………」
「あ、那由他いたんだ。存在感薄っ!」
「ひでえな……」
「……じゃあ、少し痛いですよ?」
と言って、李蘭は那由他の掌をザックリ切った。
「切られる為だけに呼ばれる俺って……」
「ルナ様、よく見ていて下さいね。
……命遁・傷滅再生!」
李蘭がまた片手で印を結んで術を発動すると、那由他の傷は一瞬で消えた。
「おおー、すごーい。」
「さ、次はルナ様の番です。」
ザクッ!
躊躇いなく掌をクナイで傷つけた李蘭に少し申し訳無く思ったが、ルナは気を取り直して、片手印を結んだ。
「命遁・傷滅再生!」
李蘭の掌の傷は跡形も無くなった。
「これで、命遁の基本はマスターしましたね。でも、出来れば印なしで出来る方が良いので、おいおい練習しましょう。」
「うん!」