第34章 本選
いのとサクラはルナとシノの戦いに沸いていた。
「レイ君、すごーい!でも、あんなに火遁使って大丈夫なの?」
「頑張れー、レイくーん!うーん、多分平気じゃない?
だって、レイ君がチャクラ切れ起こしてるとこなんて、今まで一回も見たことないもの。」
「へーえ、そうなんだ……なんでレイ君のチャクラ量は、あんなに多いのかしら?」
「さあ……」
二人はルナを応援しながらも、首を傾げた。
一方ヒナタとキバは、闘技場で起こっている戦いを、心配そうに観ていた。
「シ、シノ君………」
「シノの奴……相手が悪すぎるぜ………あの転校生の……なんだっけ?」
「皇レイ君だよ……」
「そうそう、そいつ!さっきからあの龍みたいな火ずっと出しっ放しで、息切れすら見せやしねえ。
かといってシノ本体には攻撃しねえし!なんなんだよ~!」
キバは座席に座ったまま、足をダンダンと踏み鳴らした。
「キバ君、落ち着いて……」
ヒナタがキバをなだめた。
カカシはルナから溢れ出すチャクラの質に身震いした。
(なんなんだ、レイのあのチャクラは……?禍々しくもあり、神々しくもある……
………明らかにただの下忍のチャクラじゃない……いや、このチャクラ、前にどこかで………)
カカシは前にこのチャクラに出会ったことがあるような気がしたが、いつだったかは思い出せなかった。
(それにしても………あの火遁の術……かなりチャクラを食うだろうに、大丈夫なのか、レイ?)
カカシはそこで、ルナがチャクラ切れを起こした場面に、一回も遭遇したことがないことに気がついた。
(レイのチャクラ量がわからないとは思っていたが…これほどとは………これもレイの家系のなせる技か。
皇一族については、いくら調べても何も出て来なかった………何故だ?これほどの力を持った一族が何故、滅びた?)
カカシの中の疑問は深まるばかりだった。