第34章 本選
「良いですか、みなさん。これからルールを説明します……」
月光ハヤテが咳き込みながら言った。
話が長かったので要約すると……
一対一の実戦形式のトーナメントで、どちらかが死ぬか倒れるか負けを認めるまで戦い、
絶対評価をつけ、中忍の資格があると認められた者が中忍昇格、とのこと。
「じゃあ、一回戦、うずまきナルト、日向ネジを残して、他の人は会場外の控え室で待機していて下さい…」
月光ハヤテの指示に従い、選手達が動き出した。
ルナは木ノ葉崩し対策用の影分身数十体に、迷彩隠れで姿を隠させると、他の選手と一緒に控え室に向かった。
(さあて、どーしよーかな………公衆の面前じゃ、あまり派手なことはしないほうがいいし……
……………でも、いざ虫が向かって来たら、火遁で焼くくらいはしちゃうかもな…………)
ルナは小さく溜息をついた。
そんなルナを、他の選手は半分呆れ、半分警戒した目で見ていた。
(皇レイ……最有力候補のお前が溜息吐いてどーすんだ……いや、演技か………?)
ルナの事を満足に知っている人物はいなかったので、皆の頭の中には沢山の憶測が飛び交った。
我愛羅は、一見抜けていそうなルナを見て、少し妙に思った。
(………こんな呑気そうなヤツが、本当に強いのか?噂ではうちはサスケよりも強いと聞いたが…………)
ネジはなんとなく、ルナを白眼で見た。
(白眼!……ん?あいつ、何らかの術がかかったままだぞ……何なんだ?怪しいな……まさか、スパイか何かか?)
だが、ボーっとして欠伸しているルナを見て、ネジは気にし過ぎかと思い直した。
やがて、ナルトの試合が始まり、ルナはシノ対策を考え始めた。
(ヤバイ!虫怖い!……もう、知らない。火遁で焼いちゃおう。それで、降参してくれることを祈ろう。
虫は本当に、無理です…………)
やがて、ナルトの試合が終わったようだった。
ナルトは原作通り、ネジに勝ってボロボロになっているのを、姿を隠したルナの影分身達も観ていた。
次は二回戦だ。
「次は二回戦か、って………俺じゃん!」
ルナは慌てて闘技場に向かった。