第33章 休息
それから、ルナとシスイは料理のために手を洗い、エプロンをつけた。
ルナは、和風メイド服の上にもう一枚黒いエプロンを付け、気合い十分だった。
シスイの方は、木ノ葉にいたときと同じような格好をした上に黒いエプロンをしていて、全身が黒っぽかった。
「さてと。じゃあ、料理を始めようか。」
「はい、シスイさん!ところで、お弁当って何を入れるんですか?」
「うーん、煮物とか………卵焼きとか………まあ、色々だ。ルナはどれくらい料理が出来るんだ?」
シスイが訊いた。
「………えーと、お米をなんとか炊けるレベル……」
ルナは少し恥ずかしそうに言った。
「……そうか。まあ、いい機会だ。俺が教えてやるよ。」
「はい!ありがとうございます、先生!」
ルナはにぱっと笑って言った。
(せ、先生⁉︎)
シスイはルナの言葉にちょっとドキッとしたが、その訳はわからなかった。
「じゃあまず、包丁の使い方から!包丁を握る時は、人差し指を刃の背に……」
シスイはルナの隣で、正しい包丁の持ち方を実演していた。
「………こうですか?」
ルナはシスイの真似をした。
「そうそう。で、切る物を押さえる方の手は、猫の手だ。」
シスイは指を曲げて、人参を押さえた。
ルナはその真似をした。
「そうだ。で、こうやって……」
シスイはそのまま、人参を乱切りにした。
ルナもそれに習ったが、少々大きかった。
「………ルナ、これだと、お前の口には大き過ぎるぞ?」
「あ、そうですね。シスイさんにはジャストサイズだと思ったんですけど。」
ルナはそう言いながら、人参を一回り小さくした。
「ルナにとって丁度いいのが良いんだよ。それに、小さい方が、火の通るのが速いしな。」
「なるほどー。」
…………そんな感じで、シスイの料理教室(初級編)が開かれていた。