第33章 休息
ルナは李蘭に渡された荷物の中から、例の凄い服を出して着替えた。
(これ、なかなか可愛いけど、シスイさんどう思うかなぁ…………)
ハイソックスを引っ張り上げ、ルナは鏡の前で小さく唸った。
目の前の全身鏡には、ほっそりした身体を淡い色の和風ロリータ服で包んだ、可憐な少女が映っている。
李蘭が、この間は出し忘れてしまいました、と言って渡して来たヘッドドレスは、
上着と同じ柄で白いレース付きで、服にぴったりだった。
(うーん、ちょっと派手過ぎる気もするけど………まあ、いっか。折角李蘭が作ってくれたんだし。)
ルナは鏡の前でくるっと回って、おかしなところが無いのを確認すると、シスイが待っている居間に戻った。
「お待たせしました!じゃーん!どうですか、シスイさん!李蘭の力作だそうですよ!」
ルナはソファに座ってルナを待っていたシスイの前に出て、くるりと回った。
「……っ⁉︎」
(ルナっ⁉︎)
シスイはそのファッションにとてもびっくりしたようで、カチンと固まった。
(かかか、可愛い………………可愛い過ぎる……………)
そして、その顔がみるみる朱に染まる。
「ね、どうですか、シスイさん?…………似合いますか?」
ルナがシスイにコメントをねだると、シスイは我に返り、ゆっくりと口を開いた。
「に、似合ってるし、可愛いと思う……………」
(可愛い………李蘭、随分力入れたな………ナイスッ!)
心の中で李蘭に拍手を送りつつも、その顔はもう真っ赤で、シスイはルナを直視できないほどにテレッテレだった。
「えへへ、ありがとうございます。」
(わーいわーい、シスイさんが褒めてくれた〜!)
褒められて嬉しくなり、ルナも少し頰を赤らめた。