第33章 休息
「ん……」
次の日、シスイはまたもや、ルナより早く目覚めた。
そして、また布団が狭いことに気がついた。
「ルナ……」
ルナはまた、シスイの腕を抱きしめて眠っていた。
(ルナは、無意識に体温を求めて移動しているのか……)
シスイはそう思いながらも、何故かルナを起こしたくなかった。
(なんなんだろうな…俺のこの気持ちは………ルナを見ていると、胸が苦しくなってきて………
………でも、俺はそれが嫌じゃない……………)
シスイはそこで、やっと気がついた。
(まさか…………俺は、ルナを愛しているのか……………?)
シスイは頭を振って、それを打ち消した。
(そんな訳ない。ルナは俺より七つも下だし………)
シスイは、一昨日聞いたルナの暗い声を思い出した。
(………………それに、俺はルナを困らせたくない。)
シスイは自分の気持ちを誤魔化すように、ルナの頰を撫で、ルナを起こした。
「………んー?あ、シスイさん、おはようございます……」
「ルナ……おはよう。」
「あれ、私、また………」
ルナは自分がシスイの布団に移動していることに気がついた。
「いいのさ、ルナ。それより、起きて弁当を作ろう。花見に行くんだろ?」
シスイは二日連続のためか、あまり慌てていなかった。
「……そうですね。起きましょうか。」
そう言ってルナは布団から出て行った。
シスイは何故か、物足りなさを感じたが、それがなんなのかはわからなかった。
ルナとシスイは、まず着替えや洗顔を行った。