第33章 休息
李蘭がニコニコしながら、今度こそ私と一緒に、と言おうとしていると、再不斬が口を挟んだ。
「……そりゃ、シスイだろ。」
「あ、それいいね!再不斬さんナイスアイディア!」
ルナは、李蘭がガーンという顔をし、シスイが慌てているのには気がつかなかった。
「シスイさん、いい?」
「え……」
(ルナと花を見に行く⁉︎それは良いんだけど、李蘭がちょっと怖い………)
李蘭は、シスイの方をジトーっと見ている。
「ダメ………?」
ルナは胸の前で手を合わせ、上目遣い(身長差の所為)でシスイを見つめた。
(うっ………か、可愛い。李蘭、悪い!ルナの誘いを断る事なんて、俺には出来そうもない。)
シスイはルナの可愛らしさに負けた。
「わかった。良いよ。」
シスイは観念したように言った。
「わーい、やったー!折角だから、お弁当持って行きましょう!」
ルナはパアッと顔を輝かせて、万歳をした。
「はは、そうだな。」
シスイは明るく笑った。
嬉しそうなルナとシスイの横で、李蘭はハンカチを噛み締め、それを那由他が慰めていた。
李蘭の恨めしそうな視線を受けて、再不斬はギザギザの歯を見せてニヤッと笑い、白はこの状況に既視感を感じていた。