第7章 入学宣言
少し開けたところに移動して、ルナとイタチの試合が始まった。
フガクが開始の合図出すと、まずルナは、印を結び、
「水遁・霧隠れの術!」
と術を発動させ、少し移動してから術を解いた。
霧が晴れてから最初に見えたフガクとイタチの表情は、驚きに染まっていた。
イタチは気を取り直して、移動したルナに向かって手裏剣やらクナイやら大量に投げて来た。
あぶないなぁ、でも、避けるのも面倒だ、と思ったルナは、印を結び、このあいだ覚えた術を使った。
「土遁・土流壁!」
イタチが投げた忍具は全て壁に刺さって止まった。
二人がまた驚いている隙にルナはチャクラを練り、土流壁を飛び越えて、今度は術で攻撃した。
「火遁・豪龍火の術!」
巨大な炎がイタチに向かって放たれた。
だがイタチは素早くそれを避け、瞬身でルナの背後に回り、ルナにクナイを突き付けた。
だがルナは余裕そうにしている。
イタチが不思議に思っていると、首に冷たいものが当たり、背後から、
「イタチ兄さん、それは、影分身だよ〜ん。」
というルナの声がした。
イタチが後ろを見ると、イタチの首に金属製のスプーンをくっつけているルナがいた。
「驚いたな、ルナがあんな術を使えるなんて。しかもいつの間に影分身と入れ替わったんだ?」
「はは、あの二人が教えてくれたんです。影分身は霧を出した時に。」
「にしても、だ。あれは上忍レベルの技なんだぞ。
………………まあまだ出せるだけで使いこなせてはいないようだが。
とにかく、アカデミーには入学してくれるな?」
「………はい!」
(ふう、神隠れの里人はこんな奴ばかりだったのか…流石にそれはないか。
そう言えば神隠れはどうして滅びたんだか…………)
(ルナ……油断ならないな。)
フガクとイタチはルナの予想外の実力に感心した。
こうしてルナのアカデミー入学が決定した。
「イタチ兄さん、よろしくね!」
「……ああ。」
(まあ、可愛いから良いか。)
ルナに甘い自分に、イタチはクスリと笑った。