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神隠れの少女【NARUTO】

第33章 休息


ルナはサスケが帰った瞬間、座り込んだ。

(中忍試験が終わるまで行かないようにしようと思ってたけど…………

……無理だ!木ノ葉じゃロクに修行も出来ない。それにそんなに長くみんなに会わないなんて、寂しすぎる!

もー疑われてもどーでもいいや。神隠れ行こ。)

ルナは冷蔵庫の中に腐りそうなものが無いのを確認した。

それから、李蘭が作ってくれた全部で十枚ほどある、黒いタートルネックのシャツと、黒いズボンを着る。

そして衣類などの荷物をまとめ、影分身数体にサスケの護衛と月光ハヤテの監視を頼み、神隠れに飛んだ。


ルナが神隠れに入って変化を解くと、ちょうどシスイが通りかかった。

「あれ、ルナか?李蘭が、ルナはしばらく来ない、って言ってた気がしたが………」

「シスイさ〜ん………」

ルナはフラフラしながらシスイに抱きついた。

そして、そのまま動こうとしなかった。

「……ルナ、何かあったのか?」

シスイはいつもよりかなり元気がないルナが心配になって、訊いた。

「……うーん、そういう訳じゃないんですけど…ちょっと気分が塞いでて……

…………木ノ葉で真面目に修行すると、正体がバレるかも知れないし…………

……中忍試験まで、ここにいて良いですか?」

ルナはシスイの胸に顔を埋めたまま言った。

「そりゃあ、勿論……だってここは、ルナの所有地だからな。」

「…………迷惑ですか?」

ルナはシスイを見上げて訊いた。

その青い瞳は淋しげに揺れて、今にも泣き出しそうだった。

「そう言う意味じゃない。俺はいつでも、お前を待ってる。」

シスイは発言を誤解されたことに慌てて言った。

「………そうですか…よかったです……」

ルナはまたシスイの胸に顔を埋めて、黙り込んだ。


「……おい、ルナ、そろそろ離れないか?」

五分ほど経って、シスイが言った。

「………待ってるんです。」

ルナがシスイの胸でボソボソと呟く。

「………何を?」

「……シスイさんが抱きしめてくれるのを、待ってるんです。」

「え……」

「………それまで離れませんから。」

ルナはギュッと、締め付けを少し強くした。
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