第33章 休息
「サスケ、折角だから上がってくか?」
「………ああ。」
サスケはルナに対する態度を改めようと思っていたので、お邪魔する事にした。
ルナは少し驚いた顔をした。
「もー、今日はどうしたんだ、サスケ?まあいいや、サスケは我が家の初めてのお客様だな!」
「……そうか。」
それを聞いて、サスケは何故か嬉しくなった。
ガチャ
「ただいま~……」
ルナが誰もいない我が家に声をかける。
「さ、サスケ、まあここ座れよ。」
ルナは神隠れから持って来たブルーのソファに、サスケを座らせて、お茶の用意を始めた。
サスケはその姿を、ぼうっと見ていた。
(茶を淹れるレイ、か……あれ、なんだか既視感が…………)
ルナの動作一つ一つが、亡き姉のものに見えて、サスケは何度も瞬きをした。
(レイが姉さんの訳はない…………姉さんは死んだんだ……アイツが……殺した!)
サスケは歯を食いしばって、憎しみに身を委ねようとした。
そこへ、ルナが二人分の緑茶を持ってやって来た。
「はい、サスケ。あれ、どうかしたのか?」
ルナは難しい顔をしているサスケを見てハハッと笑いながら訊いた。
サスケはこの間からくすぶっていた疑問を、ルナにぶつけた。
「レイ………お前、何でそんなに、いつもいつも笑ってるんだ?無理してるんじゃないのか?」
「え?」
ルナはサスケの突然の問いに、ポカンとした。
「別に無理はしてねえよ。そんなに笑ってたか、俺?」
ルナは質問を質問で返した。
「レイ……お前はいつも、どんな状況でも!たとえ誰かを殺した後でも!
………ずっと、ニコニコ笑ってた……そうじゃなかったのは、この間の子守任務の時くらいだった……
……あれがお前の素顔なんじゃないのか?」
サスケは俯いて言った。
それを聞いて、ルナは少し慌てた。
(げ!あの時のこと、覚えてたんだ……どう誤魔化すか……)
「あれは別に……言っただろ、ただの変顔だ。」
ルナはまた、苦しい言い訳をした。