第33章 休息
「…うーん、レイ、ストレスコントロール以外で苦手なこと、なんかなーいの?」
カカシが苦笑いしながら訊いた。
「…うーん………」
ルナは少し考え込み、
「……あ、そうだ。」
と言った。
「え、なになに?」
カカシはここぞとばかりに訊いた。
「ちょっとコントロールがうまく行ってない術があって………」
(螺旋風砲・紫電の着弾点が、いつもちょこっとズレちゃうんだよなぁ…)
「……そうなの。じゃあ、ちょっとやってみてよ。」
「……はーい。」
カカシに促されて、ルナは指先にチャクラと風を集めながら、考えた。
(まあ、もうみんなの前で灼遁は使っちゃってる訳だし、これくらいいいよね。)
「風遁・螺旋風砲・紫電!」
ルナはそう言って印を結び、指先に発生させた、
青紫に輝き、高速で回転しながらバチバチとスパークを飛ばしている直径5cmほどのチャクラの塊を発射した。
カカシはそれを見て、目を丸くした。
(あれは……まだ小さいが…螺旋丸⁉︎しかも、風遁と雷遁の性質変化がついて………指先から離れた⁉︎)
ルナは発射した螺旋風砲・紫電を数十m先に着弾させた。
ドガーーーン!
その途端、爆音がして、土煙がもうもうと巻き上がった。
「ゴホッゴホッ……すみません。もっと先に着弾させればよかったです。狙ったところが悪かったです。」
「レイ……お前でもこう言うことあるんだな…ゴホッ……」
サスケは咳き込みながら言った。
「ゴホッ………そうか。で、狙ったところからはどのくらいズレたんだ?ゴホッ……」
「…ゴホッ……えーと、10cmくらいですかね……」
「ゴホッ……そうか……ゴホッ…とりあえずまずは、練習してみろ…って、え?」
カカシとサスケは、土煙が晴れると、目の前の光景に言葉を失った。
ほんの十m先の地面が、まるで何かに削り取られたかのようになくなり、直径二十mほどのクレーターが出来ていた。
「あ、ヤバイ。しかもちょっとやりすぎた。」
ルナは引いている二人を見て苦笑いした。