第33章 休息
「…うーん、よく寝た……」
次の日、ルナが目覚めると、イタチが横で眠っていた。
自分に毛布が掛けられているのを見て、ルナは、
(イタチ兄さんはやっぱり優しいな…………)
と思った。
「イタチ兄さん、おはよう。」
ルナはイタチの肩を揺すった。
「……ん、ルナか……おはよう。」
イタチは少し寝ぼけたまま起き上がった。
「顔洗って支度しなくちゃ……」
ルナはソファと毛布の間から抜け出した。
ルナは素早く朝の支度をし、暁のメンバーが起きて来る前に、木ノ葉に帰ることにした。
「じゃ、イタチ兄さん、中忍試験が終わったら、また来るから。
……私、カカシさんにちょっと怪しまれてるから、あんまり木ノ葉を空けていられないの。ごめんね。」
「……わかった。ルナ、気をつけてな。」
「うん!じゃあ、行ってきます!」
ルナはそう言って明るく笑うと、飛雷神で消えた。
ルナが行ってしまった後も、イタチはしばらくソファに横になって、ルナが残していった体温に浸っていた。
(……俺は、サスケに生きる原動力を与えようと思って、あんなことを言った………
…………だが、俺がサスケに殺されれば、ルナはどうなる?………悲しむに決まっている。
………ルナのことだ、きっとまた自分のせいだと思うだろう。
………そうなったら、ルナの精神は今度こそ壊れてしまうかも知れない。
………………俺はどうするべきなんだ……?)
イタチは悶々と悩み始めてしまった。