第33章 休息
その日、ルナは予定通り暁のアジトに泊まることにした。
イタチにこれ以上病んで欲しくなかったルナは中忍試験の報告をするのを自粛した。
みんなが寝静まった後、ルナは居間のソファにうずくまって、これからについて考えていた。
(中忍試験第三の試験は……大蛇丸が見てるからな…取り敢えず、真面目に出よう。
…………で、木ノ葉崩しが始まったら……三代目の救出に行って…別に三代目なんか好きじゃないけど、
まあ色々お世話になったし……サスケを殺そうとしてるわけじゃないから、見殺しになんて出来ない。
で、木ノ葉崩しの後は………)
「あ。」
ルナは重要なことを思い出した。
(イタチ兄さん来ちゃうじゃん!サスケが喧嘩始めちゃう!…まあ、イタチ兄さんはサスケを殺そうとしたりしないけど……
……念のために現場には居合わせておかないと……て言うか、木ノ葉と暁が喧嘩始めたら、サスケが危ないじゃん!
イタチ兄さんはサスケに殺されに行こうとするし…………まあそれは私が肩代わりすればいいとして……………
………問題山積みだ~!でも、私はみんなの生存エンドを諦めないからね!
……少なくとも、イタチ兄さんとサスケだけは、何があってもぜーーーったいに、守ってみせる!)
ルナはこれからの作戦を、一人で練りだした。
が、いつの間にか、寝てしまった。
夜、水を飲みに起きて来たイタチは、居眠りしているルナを発見した。
「ルナ、こんなところで………」
そう言いかけたイタチは、ルナの寝言を聞いて、動きを止めた。
「フガクさ……ミ、コトさ………ごめんなさい…………」
そう呟いたルナの頰には、涙が伝っていた。
(ルナ………………!)
イタチはルナに、申し訳なさと、なんとも言えない感情を覚えた。
(ルナ……お前はサスケを守ってくれた。でも、お前が身がわりになったんじゃあ、俺は喜べない。
そのことをお前はわかってない…………………!)
イタチはルナの涙を指で拭うと、ルナに毛布を掛け、自分も一緒に包まり、自分の無力さを噛み締めた。