第33章 休息
数時間後、目が覚めたイタチがリビングルームに出て来ると、並んでいるルナとサソリの頭が見えた。
「……あれ、ルナ、サソリ、お前達まだいたのか………」
イタチがそう言いながら二人の前に回り込むと、そこにはサソリにもたれてぐっすりと眠っているルナと、
離れどきがわからずに身を硬くしているサソリがいた。
「あ、イタチ、来たか。この通り、ルナが眠ってしまってな。どうすればいい?」
サソリが声色だけ困ったようにイタチに訊いた。
「………俺が部屋に運ぶ。そのままじっとしてろ。」
(ルナ………サソリが怖くなくなったようだな………)
イタチはそう言って、ルナをゆっくりと、丁寧に抱き上げた。
その様子を見て、飛段がヒューゥ、と口笛を吹いた。
「おいおい、イタチとルナってよぉ、ああしてると恋人かなんかに見えるよな〜」
「ブッ!」
飛段の発言に、イタチ、サソリ、デイダラが噴き出した。
「い、いや、ルナはあくまで、俺の妹であって………」
(ルナが恋人…………いや、ルナが俺を好きとは限らないし……いや、そういう問題じゃなくて………)
イタチが微かに顔を赤くしつつ呟く。
「………………」
(………わかってる……イタチとルナの方が、絵になるってことくらい……………)
サソリは何故か落ち込んでいた。
「おい、飛段何言ってんだ⁉︎ちゃんとルナの気持ちをだな…………」
(………って、なんで俺、こんな必死になってんだ?)
デイダラは怒り出したものの、自分がそうした理由がよくわからなかった。
「おいおい、三人とも、なに必死になってんだ?冗談だよ、冗談。
ルナだっていずれ、どっかにいい人見つけて、イタチのとこを離れてくんだよ!」
飛段はやれやれ、と言いたげだった。
「ルナが………俺の元を………そうだな。それがルナの幸せだよな。」
イタチはそう言ったものの、ズーンと落ち込んでしまった。