第33章 休息
ガチャ
「暁のみなさん、こんにちは!」
ルナが自分の部屋から出て来て、にぱっと笑って挨拶をすると、芸術コンビと、不死身コンビが顔を上げた。
「よう、ルナじゃねーか!久しぶりだな、うん!」
「ホントだなぁ。ルナ、久しぶりィ~」
「……………」
デイダラと飛段はルナに挨拶してくれたが、サソリと角都は黙ったままだった。
「し、失礼しました……」
(サソリさん、角都さん、相変わらずだけど、顔怖っ!)
ルナは自分の部屋に引っ込んで、イタチの帰りを待つことにした。
「おい、サソリのダンナが怖い顔してっから、ルナが引っ込んじまったぜ、うん!」
デイダラが立ち上がって、非難するように言った。
「へっ、ルナのヤツ、角都の顔見て引っ込んだぜ〜」
飛段はヘラヘラと笑いながら、角都の肩をベシベシ叩いた。
デイダラと飛段の言葉を聞いて、サソリと角都は、
(俺の顔ってそんなに怖いか………………)
と、少し落ち込んだ。
「そーいや、ルナってよぉ、大蛇丸から弟を守るために、木ノ葉に潜入してるんだよなぁ。
つまり、ルナが苦労してるのって、デイダラとサソリのツメが甘かったからだよなぁ~」
飛段がニヤニヤして、頰をポリポリと掻きながら言った。
「うっ、うるせーぞ、飛段!あのときは、確かに始末したと思ったんだよ!うん!」
デイダラが噛み付くように言った。
「……………やめろ、デイダラ。飛段の言う通りだ。」
落ち込んでいたサソリが、暗い声で呟いた。
「えっ⁉︎だ、旦那、どーしたんだ、うん!旦那がそんなアッサリ、ミスを認めるなんて……」
デイダラは嫌に素直に自分の非を認めたサソリに、気持ち悪さすら覚えた。
「………少し放っておいてくれ………」
(せめて、見た目だけでも変えるか………)
サソリはそう呟くと、傀儡をもう少し怖くない顔のものに変えるべく、自分の部屋に戻った。
「……?旦那、何があったんだろうなー、うん。」
その背中を見送ったデイダラは独り言ちた。
ルナの方は、イタチを待ちくたびれて、いつの間にか眠ってしまっていた。
「イタ、チ…にいさ………あいた、いよ……」
ルナは寝言で呟いた。