第33章 休息
「神はこうも言っていました。私の能力に気がついた子孫こそ、自分の真の継承者だ、と。
………………ルナ様、やはり、あなたがそうでしたか。」
(ルナ様……十一代目の、最後の依り代………やはり何か、感じるものがおありなのでしょうか………)
「いやあ、そんな大層なことじゃないよ…………ま、李蘭、教えてくれてありがとう。
…………その能力、これからも極力使わないでね?」
(こんなこと言ったら怪しまれそうだけど………でも、李蘭が私の命令を無視したことは、今まで一回も無かったし……
………多分、そういう呪いかなんか、かかってるんだろうな………まあ、今となっては好都合だけど。)
「……ええ。わかっています。」
(ルナ様………私が貴女の命令に逆らえないことを、わかっていて言ってらっしゃるのでしょうか………もしそうだとしたら………
…………何か、私の知らないところで………いえ、そんな訳ありませんよね。)
李蘭はルナの命令に、僅かに疑問を持ったが、主人が自分に隠し事をしていたことがない(と思っている)ため、すぐに打ち消した。
「じゃ、私はちょっとイタチ兄さんに会ってくるから。カカシさんにちょっと怪しまれてるから、
中忍試験が終わるまでは帰って来ないつもりだけど、心配しないで。」
「わかりました。ルナ様、行ってらっしゃいませ。」
「じゃ、行ってきます!」
ルナは新たな影分身を出すと、そう言って飛雷神で消えた。
「ルナ様……本当に聡いお方です。やはり、これが運命だったのですね…………」
李蘭は遥か昔に自分の前から姿を消した最初の主人に呟いた。