第33章 休息
「そうですか……お疲れ様です。全く、困った人間もいるのですね。
ルナ様の手を煩わせるなんて…………」
李蘭がそう言って、呆れたという風に首を振る。
「そういや、大蛇丸って、木ノ葉の伝説の三忍だろ?」
シスイが、今更ながら思い出した、という風に言った。
「ええ。随分前に里抜けして、変な人体実験を繰り返しているようです。
サスケのこともそうですけど、近いうちに、どうにかしないといけません。」
(どうにかって、つまり、殺すってことだけどね………)
どうにか、の内容が言いたくなくて、ルナは言葉を濁した。
「そうですか………ルナ様、その時は遠慮無く、私や那由他を頼って下さいね。いつでも力をお貸しします。」
「そうだぞ、ルナ。俺だって曲がりなりにも、お前の僕なんだからな。」
李蘭は優しく、那由他は少し素っ気なく、ルナの力になることを約束した。
「…………うん。ありがとう、李蘭、那由他。頼りにしてる。」
ルナは二人の目を見てそう嘘を吐き、しっかりと頷いた。
(とか言って、そうする気は全然無いんだけどね…………
…………二人に、もう私のことで迷惑とか苦労とか、掛けたくないし。この件が片付いたら、二人には自由に生きて欲しいし。
この件が片付いたとき、私がどうなってるかは、見当もつかないけど…………)
そのとき、ルナが自分の本当の思いを言うことは無かった。
楽しい食事会が終わって、それぞれが持ち場に戻る中、ルナは李蘭を引き留めた。
「……李蘭に訊いておきたいことがある。」
「なんなりと。」
李蘭は僕らしく、あっさり引き受けた。
「………じゃあさ。李蘭には、未来が見えてるの?」
「えっ?」
(ルナ様………何故それを………)
ルナの言葉に、李蘭は絶句した。