第33章 休息
「お待たせしました〜、ルナ様!どうです、可愛いでしょう!」
そう言って李蘭が差し出したのは、なんと………………………………こってこての……和風ロリータ服だった………
上は桜柄の薄い水色で、下は紺のスカート…………白いパニエ付き。
エプロンは真っ白でフリルがたっぷり。
ご丁寧に、レース付きの白のハイソックスと、黒いストラップパンプスまで…………
襟についているレースのお陰で、首が殆ど隠れているのが、唯一の救いといったところか……………
「……………李蘭、これは?」
そう言ったルナの顔は、少し引きつっていた。
「はい!夜なべして作りました!いかがでしょうか?」
そう言う李蘭はニコニコしていて、ルナが少し引いていることなど、全く気がついていないようだった。
「………うん。じゃ、着て来るよ。」
それを見てルナは、察してもらうのは諦め、素直にそれを着ることにした。
「はい!では、隣の部屋をお使い下さい。」
李蘭はそう言って扉を開け、ルナを中へ導いた。
ルナはそれに従って、素直に隣室に入って着替えた。
「おお………これ、凄いな………どのくらい時間かかったんだろう?」
ルナは李蘭がくれた和風ロリータ服を着て、全身鏡の前に立ち、感想を零した。
サイズはルナにぴったりで、着心地も良かった。
エプロンのリボンを後ろで結ぶと、ウエストがキュッと引き締まって、なかなか様になっていた。
ルナは全身をチェックしてから、その部屋を出た。
「李蘭〜、着たよ〜…………」
「ああっ、なんと可愛らしい!」
ルナが居間に戻ると、李蘭が凄い勢いで駆け寄って来た。
「ルナ様、とても良くお似合いです!どうか今日一日、そのままで………」
「いやいや、ごめん。今日午後から、イタチ兄さんのところ行くから、また着替えるね。」
ルナは李蘭の要望をさらりと躱し、着替えに戻った。
「ああ、ルナ様………勿体無い………写真を撮れば良かったですかね…………」
ルナが隣の部屋に入ってしまった後、李蘭は小さく呟いた。