第33章 休息
「そういえばルナ様、お召し物がとても地味ですね…………私が昨日作った服に、着替えませんか?」
ルナから離れた後、李蘭が思い出したように言った。
「え?李蘭、また新しい服作ってくれたの?」
ルナは首を隠さなくてはいけないことも忘れて喜んだ。
「ええ。今度は、かなりの力作ですよ〜!期待してて下さい!さ、お召し変えを。」
李蘭がニコニコしながら、ルナを連れて行こうとする。
「え、あ、でも…………」
(丸首じゃないと、バレちゃうんだけどな……………)
ルナは自分が今着られる服に制限があることを思い出し、少し焦った。
「いかがなさいましたか、ルナ様?」
李蘭が心から不思議そうに、ルナに訊いた。
「…………ううん。なんでもない!行こう、李蘭!」
(首のこれは、髪の毛で隠せばいいや。李蘭が作ってくれた服、着てあげたいし。まあ、すぐ着替えちゃうんだけど。
暁のアジトに李蘭の趣味の服で行くと、浮きまくりだし。)
ルナは首の呪印はなんとか隠して、李蘭の真心を受け取ることにし、そう答えた。
「ふふっ、そうですか。では、行きましょうか。」
「うん!」
李蘭がルナに手を伸ばし、ルナがそれを握ると、二人は李蘭の飛雷神で、李蘭の家に飛んだ。
李蘭の家に来ると、ルナは李蘭に、居間で待っているように言われて、ソファに座ってボーッとしていた。
(李蘭、まだかな〜……………って、まだ二分も経ってないか。にしても、どんな服なんだろう?
李蘭が作る服って、いつもこてこてに可愛いから、ねだってねだって、なんとかこの黒タートル作ってもらったんだけどな………)
ルナが服のデザインについて、色々と考えていると、李蘭が遂に戻って来た。