第33章 休息
「李蘭、那由他!」
「おや、ルナ様と、みなさんお揃いで。丁度いいところにいらっしゃいました。
今から空を飛ぶ術を…………」
「わかってるから!早く早く!」
ルナは李蘭を急かした。
「わかりました。では、そこのルナ様、ルナ様達に術を見せて差し上げて下さい。」
李蘭がそう言うと、ルナの大勢の影分身の中から一人が歩み出て、術を使った。
「風遁・飛龍の術!」
ルナの影分身がそう言って印を結ぶと、影分身はふわっと浮いた。
その様子を、ルナは目を輝かせて見ていた。
影分身はそのまま浮き上がり、空中を華麗に舞った。
その美しさに、シスイ達は息を飲んだ。
(ルナ……なんて、美しい………)
(まさに、天使だな………)
(ルナちゃん……綺麗……)
ルナの影分身によるショーが終わると、李蘭が術完成秘話を教えてくれた。
「実はルナ様、さっき風遁と言いましたが、この術は超軽重岩の術の原理を応用しているのですよ……
そこに風遁を加えて、速いスピードと自由自在な方向転換を可能にした訳なんです……」
「へぇ〜、李蘭、凄いね!」
「ルナ様が出かけている間に、塵遁もお教えしましたから、後で試してみて下さい。」
「そっか、わかった!李蘭ありがとう!」
ルナは影分身を消し、李蘭に抱きついた。
「ふふっルナ様ったら、甘えんぼさんですね。」
そう言った李蘭の顔は、子を抱く母のような顔だった。
(ルナと一番仲が良いのは李蘭か…………)
ルナと李蘭の様子を、シスイ達は生温かい目で見ていた。