第33章 休息
「二人とも久しぶり!」
ルナはそう言って、再不斬にも抱きついた。
「うおっ⁉︎」
再不斬は驚いて硬直した。
「……ん?再不斬さんどうしたの?」
ルナは心底不思議そうに訊いた。
白とシスイは、びっくりして固まっている再不斬と、理由に全く気がついていないルナを笑いを堪えて見ていた。
だが、白もその数十秒後に、同じく固まることになった。
「白さんも久しぶり!えいっ!」
「わわわっ⁉︎」
白はルナに抱きつかれて狼狽えた。
その様子を、シスイと再不斬がニヤニヤして見ていた。
(二人とも、笑ってないで止めてくれれば良いのに……でも、これは…悪くありませんね……)
白はクスッと笑った。
「ところで、李蘭と那由他は?」
全員に抱きついて満足したルナは、シスイに訊いた。
「ああ、李蘭達は、今、東部第一演習場でルナの影分身達の訓練してるぜ。
なんでも、空を飛ぶ術を伝授したとか…………」
「へえ、楽しみだな!折角だから、再不斬さん達も来て下さいよ!」
「まあ、良いけどよォ……」
再不斬は渋々といった様子で言ったが、内心満更でもなかった。
「あ、そういえば、私は一度に二人しか運べないや……」
「ははは、ルナ、心配ご無用!」
シスイがニカッと笑って言った。
それを聞いてルナはパッと顔を輝かせた。
「まさか、シスイさんも飛雷神使えるようになったの⁉︎」
「ははは!その通りさ!李蘭達に特訓してもらって、なんとかな!」
「そっか、やったね!じゃあ、四人で行きましょうか。」
ルナは白の手をギュッと握り、シスイはちょっと躊躇いがちに再不斬の手首を掴んだ。
シスイと再不斬が気まずそうにしているのを、ルナと白は笑いを堪えて見ていた。
「再不斬さん、固まってるね……」
「ええ……ふふふっ………」
シスイと再不斬は笑っている二人を見て、頭をポリポリと掻いた。
「じゃあ、東部第一演習場にレッツゴー!」
ルナの声と同時に、ルナと白、シスイと再不斬は、親藩地区の演習場、と言うか島の一つに飛んだ。