第32章 予選
カカシは大蛇丸が去ると、ルナに服を着せてからお姫様抱っこして、病院に向かった。
道中、カカシはずっとルナの顔を覗き込んで、考え込んでいた。
(大蛇丸の話が本当だとすると、レイは初めから、
サスケを守るためだけに木ノ葉に来た、と言う可能性も否定出来ない。
火影の遠縁というのは嘘で、でも何らかの関わりを持っている………?
皇レイと言うのは偽名で、風の国にいたと言うのも嘘……?
………でも、そんなことをしてまでサスケを守ろうとするヤツなんて、思い当たらないな…………)
カカシが悩んでいると、ルナが不意に目を開けた。
「……………ん?……あ、カカシ先生。」
「レイ!目覚めたか!」
「はい………あの、恥ずかしいので下ろしてください。もう大丈夫ですから。」
「ああ、そうだったな。」
カカシは素直にルナを下ろした。
「レイ、病院に………」
「いえ、もう平気ですから。お構いなく。」
ルナは自分の足で立つと、カカシからサッと離れた。
「そ、そんなに引かなくても……」
カカシはルナの引きかたに少し凹んだ。
「じゃ、カカシ先生、お手数をおかけしました。それじゃ。」
そう言って去って行こうとするルナをカカシが引き留めた。
「待て、レイ!………お前に訊きたいことがある。」
カカシの言葉にルナはギクッとした。
(大蛇丸め、何か余計なこと言ったんじゃないだろうな……)
「………何ですか?」
ルナは動揺を顔に出さずに言った。