第32章 予選
会場はサスケの試合を見て盛り上がっていた。
我愛羅やザク・アブミ、他の同期達も、サスケの実力を目の当たりにして、
ある者は闘志を燃やし、ある者は恐れをなしていた。
皆がうちは一族の力に感心していて、ルナも少し誇らしく思った。
(みなさん、実は私もうちはですよ!本当の姿は、とてもそうは見えないでしょうがね………)
ルナは心の中でひっそりと呟いた。
大蛇丸がサスケをジッと見ているのに気がついて、ルナは大蛇丸にガンを飛ばした。
(大蛇丸さん………サスケに手を出したら、どうなるかわかってますよね………?)
大蛇丸はそれに気がついて、誤解だとでも言いたげに首を小さく横に振った。
(ふふっ、大丈夫よ、ルナちゃん。サスケ君は確かに優秀だけど、貴女はもっと……
………そう、もしかしたら、既にこの私よりも…………こんないい取引、無下にするワケ無いじゃない………)
ルナは大蛇丸がサスケから目を離したのを見て、一安心した。
(サスケを狙う気はもうないみたいだな……まあ、私もいいとこ見せとくか………)
ルナは試合を大蛇丸に対するアピールに多少利用しようと思った。
カカシは横からルナと大蛇丸の無言のやりとりを見ていて、少し不審に思った。
(レイとあの音隠れの忍……知り合いか?何かやりとりをしているようにも見えるが…………気のせいか?)
が、口には出さなかった。
ルナの出番はしばらくなかったので、ボケーっと観戦を続けた。
途中サクラがいのと引き分け、ナルトがキバに勝ったが、ルナはボーっと呆けていて、
カカシは、『サスケのときとはえらい違いだな………』と、密かに呆れた。