第32章 予選
「えー、ではこれより予選を始めますね………」
月光ハヤテの説明は長かったので要約すると。
二十一名の受験生達で、十一回の試合を行い、勝ち残ったものを第三の試験に出場させる。
相手が死ぬか、倒れるか、負けを認めれば勝ち。
とのこと。
(うわぁ、殺さないように気をつけなくちゃ………)
ルナは他の受験生とは別の心配をしていた。
「えー、では早速、一回戦の組み合わせを発表します……」
月光ハヤテがそう言うと、電光掲示板に、ルナの予想通り、
『アカドウ・ヨロイVSウチハ・サスケ』
と出てきた。
ルナはそれを確認すると、応援席に向かった。
ルナが応援席に座ると、カカシが隣にやって来た。
「取り敢えず第二の試験通過おめでとう!………と言いたいとこだけど……
お前のその首の呪印が暴走したら………お前の命に関わる。
…………ま、その時は俺がお前を止めるからよろしく。」
「ははは、そうですか。お手数おかけしますね。」
ルナは大して気にした風でもなく言った。
カカシはここでルナに疑問をぶつけてみることにした。
「ねえ……レイはさぁ………火影様とどう言う関係なの?」
「別に何でも。ただの遠縁です。俺を木ノ葉に招いてくれた恩人ではありますが。」
ルナは苛立ちを声や顔に出さないように気をつけて言った。
(もー、カカシ先生黙っててくんないかな〜観戦に集中できない…………)
「ふーん、そうなの………」
カカシの方でも、ルナが訊いて欲しくなさそうなのを察知したのか、それだけ言った。
(そういえば、私は誰と戦うのかな……我愛羅とか……戦ってみたいけどちょっと怖いし…………顔が。)
ルナはサスケと赤胴ヨロイの攻防を目で追いながら考えていた。
(チャクラを吸い取る、か……私と似てるな……でも、直接触らなくちゃ吸えない上に、あの吸収速度じゃね………)
ルナは赤胴ヨロイに少し興味を持ったが、直ぐに失くした。
サスケは赤胴ヨロイの厄介な能力に少し苦戦していたが、ロック・リーの動きを参考にした体術で、逆転した。
そして、サスケは赤胴ヨロイに勝利した。
ルナは爆音のような拍手をしたいのを堪え、控えめに拍手した。