第32章 予選
「………やはりな……」
ヒルゼンは時々首筋をさすっているルナを見て呟いた。
みたらしアンコが、大蛇丸が出たという報告をしたとき、ヒルゼンはこの結果を予想し、そしてそれは的中した。
(ルナはサスケを守り切ったんじゃな………)
ヒルゼンはまたルナに重荷を背負わせたことを悔いた。
が、それを顔には出さなかった。
「彼は試験から下ろし………暗部の護衛をつけて隔離すべきです。」
みたらしアンコがヒルゼンに進言した。
「良いんですか?火影様の遠縁にそんなことして?」
カカシが口を出すと、みたらしアンコは噛み付くように言った。
「何バカなこと言ってんの⁉︎力尽くででもやめさせるわ!
チャクラ練るだけでも呪印が反応して無理に力を引き出そうとするのよ!
術者の体を蝕む禁術なのよ!」
みたらしアンコはそう言うとルナを指差した。
「あの子が耐えているだけでも不思議よ!ホントならもう死んでるわ!
棄権させるより、死んだらどうすんのよ!」
みたらしアンコはそう言ってヒルゼンを見た。
ヒルゼンは、
「ま、レイなら大丈夫じゃろう。大蛇丸の言ったことも気にかかる…………
レイはこのまま試験に参加させ、呪印が開き暴走しそうになったら止めに入れ。」
と指示を出した。
(まあ、あの子が暴走することは無いだろうし、もしそうなったら、誰にも止められないだろうがな………)
みたらしアンコは少し不服そうだったが、了解、と返事をした。
カカシはそれを聞いて、
(レイと火影様は一体どんな関係なんだ………?)
と、いろいろ考え込んでしまった。