第32章 予選
そのうちヒルゼンが挨拶を始め、第二の試験は、戦争の縮図なのだとかなんとか言っていた。
ルナはそれをボーっとして聞いていた。
(大蛇丸を防いだから…もう試験に出る必要はないな…呪印暴走したらやだし……でも、我愛羅と戦ってみたいし……
………あ~、適当で良いか!)
ルナはここからは思い付きで行動することにした。
ヒルゼンが第三の試験について説明しようとしたとき、顔色の悪い男が出てきた。
「………恐れながら火影様…ここからは審判を仰せつかったこの…月光ハヤテから……………」
月光ハヤテは跪いて言った。
「………任せよう。」
そう言ってヒルゼンは月光ハヤテに場所を譲った。
月光ハヤテは、第三の試験の前に予選を行うことを発表した。
それを聞いて受験生達はざわめいた。
「えー、という訳で…体調の優れない方………これまでの説明で辞退したくなった方は、今すぐ申し出て下さい。」
それを聞いて手を上げたのは、やはりカブトだった。
「あのー、僕はやめときます………」
「え?カブトさん?なんでだってばよ………」
ナルトがなんやかんやと突っかかっていたが、カブトの身体の状況を知ると黙り込み、
列から離れていくカブトの背中を、残念そうに見ていた。
ふと、ルナはすぐ横から視線を感じた。
見ると、サスケとサクラが、『やめとけ光線』を目から発射していて、ルナは苦笑いした。
「なんだよ、二人とも。俺の顔に何かついてるか?」
「そんなんじゃねぇ。お前はやめとけ。」
「そうよ!あの変なヤツにやられたんでしょ!危ないわよ!」
サクラとサスケが、周りを気にしてか、小声でそう言った。