第31章 死の森
カブトが考え込んでいると、ルナがクルッと振り返って、カブトの方を見た。
(何だ⁉︎何か勘付かれたか⁉︎)
カブトが少し慌てていると、ルナはにっこり笑って、いつも通りの調子で言った。
「カブトさーん、早くー!」
気がつくと、敵が持っていた天の書を回収したナルト達が、カブトの方を怪訝そうに見ていた。
「カブトさん、早く行くってばよ!」
「あ、ああ。そうだね。」
カブトは少しぎこちない様子で、ルナ達に追いついた。
ルナは少し様子がおかしいカブトを見て、
(やっと気がついたか~……遅いなぁ………)
と、少し呆れていた。
ルナは最後尾に着き、皆に気が付かれないように影分身を一体出し、迷彩隠れの術で姿を隠させた。
そして、一行は無事、中央の塔に到着した。
塔の扉の前に着くと、カブトの仲間が現れた。
「………遅かったな、カブト。」
「………ああ。ちょっとゴタゴタに巻き込まれてな…スマン。」
「でもさ、でもさ!お陰で巻物も揃ったってばよ!」
「いや、君達の頑張りのお陰だよ。特に凄かったよ、ナルト君と…ムグッ。」
「ほら、ナルトはとっても凄かったってよ!」
ナルト君とレイ君、と言いかけたカブトの口を、ルナが塞いで取り繕った。
サスケとサクラはその様子を見て少し呆れていたが、ナルトは気にしなかったようだった。
「……こほん。僕らはこっちの扉を開くから……じゃあ、お互い頑張ろう!」
「うん!」
カブトとナルトはそう言って笑い合い、ルナ、サスケ、サクラ、ナルトは、塔の中に入って行った。
カブト達が塔に入ると、大蛇丸がカブトの前に姿を現した。
大蛇丸が現れると、カブトは大蛇丸に詰め寄った。
「一体どう言うことですか、大蛇丸様?大蛇丸様の狙いはサスケ君では?」
「まあ、そう慌てないで、カブト……レイ君は、サスケ君より見込みがあるから、狙いを変えたに過ぎないわ……
…………いや、変えたと言うより、変えてくれって、頼まれたのよね。」
「はい⁉︎」
カブトには訳がわからなかった。
「レイ君………あの子は私がサスケ君を狙うのを知っていて、止めに来たんですって。代わりに俺を、ってね。」
大蛇丸はニヤニヤと笑いながら言った。