第6章 修行
「あっ、イタチ兄さーん!」
「どうしたルナ。」
クナイの手入れをしていたイタチが、ルナの方を向いて言った。
「クナイの投げ方教えてー!」
「いいけど、怪我するなよ?」
「へーきへーき。すぐ治るし。」
ルナは何気なく言った。
「おいルナ、すぐ治るってどういうことだ。」
イタチは首を傾げて言った。
(あ、ヤバイ。)
「えーっと、一週間くらいで治るってことだよ!」
ルナは少し焦ったが、何とか取り繕った。
「そうか。」
イタチは納得したように言った。
(危ない危ない。)
ルナはふうっと息を吐いた。
頭の中に、
『無闇に正体を明かすようなことを言ってはいけません!』
という李蘭の声が響いた。
イタチはやっぱり丁寧に教えてくれたけど、手裏剣の時より苦戦した。
その日の夕方になってやっと、まともに投げられるようになった。