第31章 死の森
ナルトの意図を察して、ナルト以外の一行は、ナルトが影分身を消すと同時に、草叢に身を隠した。
(ふふっ、ナルトも、成長してるな………)
ルナは姿を隠したまま、柔らかく微笑んだ。
ナルトの姿をした影分身が消えると、油断した雨忍はノコノコ姿を現した。
「…ふっ、夢火、もう良い。空が白んできた。ようやく狩りの時間だね……」
「…奴らの精神は狩り終えた。あとは身体だけ…ラッキー!」
その時、雨忍の後ろから、目の前にいる筈のサスケ達の声がした。
「袋のネズミだな………」
「やったわね、ナルト!」
「はっはは、作戦大成功だな、ナルト!」
サスケ、サクラ、ルナが口々に言った。
「‼︎⁉︎」
雨忍は混乱し、後ろを振り向いた。
「へっ、まんまと引っかかりやがったな!」
ナルトの影分身が変化を解くと、ナルトの姿をした影分身が四人現れた。
「‼︎」
それを見て雨忍達は驚愕の表情を浮かべた。
「へへっ、影分身はタダのネタの仕込みだってばよ!俺一人でチームの全員を演じるためのな!」
「幻術使いが、逆に騙されたって訳だ………」
ナルトとサスケが不敵に笑った。
「……………っ!」
しかし、チャクラを使い過ぎたナルトが、地面に膝をついてしまった。