第31章 死の森
カブトがナルトをたしなめ、一行はなるべく物音を立てずに進むことになった。
ルナは神通眼を開かず、敢えて幻術にかかった。
付近に怪しいチャクラを感じていたが、仕掛けられるまでは待とうと思った。
そして道案内をカブトに任せっきりにして、少しボーっとしていた。
何時間歩き続けても、カブトを先頭にした一行は、塔に近づけなかった。
「………あの、みんな、幻術にかかってるみたいですね………」
「えっ⁉︎」
「だってほら、あれ、さっきナルトが倒した百足ですよね?」
ルナが指差した先には、確かにさっきの百足がいた。
「どう言うことだってばよ⁉︎」
「うっそぉ〜〜!」
「そのようだな………」
「………僕達は細心の注意を払って、同じところをグルグル歩かされていたみたいだね………」
ナルト達は幻術に嵌っていたことにガックリした。
「監視されているようですね。おそらく、このまま体力を削らせて、疲れ切ったところで不意を突くつもりでしょう。」
ルナは冷静に言った。
「だったらもう、敵の作戦通りだろ……」
サスケがそう言って地面に座り込んだ。
ルナ以外の四人は、もう息が切れかかっていた。
「………じゃあ、そろそろ、来るな。」
「‼︎」
「ああ……」
サスケはカブトに同意して立ち上がった。
そして一行は、一斉に顔を上げた。
全身黒タイツの怪しい忍の幻が、至るところから現れた。
「お出ましだ……」
「……フン!ちょうどいいハンデだってばよ!」
ナルトは果敢に言い放った。