第31章 死の森
「第二の試験………始まってもう四日目の昼だな……」
「……うん…」
一行は焚き木を囲んで、魚が焼けるのを待っていた。
「第二の試験開始が、十四時三十分くらいだった……時間でいうと、後二十五、二十六時間しかないな……」
「…もう既に何チームも合格してるかも……そうなると……」
「ああー!早く!早く!焼っけねっかな~~」
険しい顔をしているサスケとサクラに対して、ナルトは焼き魚が出来るのを今か今かと待ち、涎を垂らしていた。
(そろそろ本当に、ヤバイな……)
(一番デカイのは……あれだってばよ!よ~~~~~~しィ!)
サスケとナルトの頭の中は全く違った。
(はてさて……別に第三の試験には出場しなくても良いんだけど……サスケの支援はしとくか……)
ルナは大蛇丸を阻んだ為、割とリラックスしていた。
魚が焼けると、一行はガツガツと食べ始めた。
ルナはいつかの演習で、イタチとシスイと一緒に、魚を食べたことを思い出して、喉が詰まった。
が、涙はなんとか堪えた。
「もしかして……もう天の巻物はないのかも……」
サクラがおもむろに言い出した。
「………どういうことだ、サクラ?」
「だってこの第二の試験……五日間のうち四日はもう過ぎちゃってるってことは………
試験のトータルの八割の時間はもう過ぎちゃってるってことだし……参加人数七十九人…全二十六チーム…
"天""地"十三本ずつしかない巻物……ただでさえ合格は最大十三チームでしょ……」
「?」
ナルトにはサクラの言わんとしていることがよくわからなかった。
「………それに…大蛇丸が、俺達の持ってた天の書を燃やしてしまった………」
「……と言うことは…」
「?」
「………その時点で合格出来るチームが一つ減ったってことだ。それに、他の巻物が無事だと言う保証はない。
………天と地、どちらかが欠けた時点で、もう一方は無意味になる。」
ルナが重々しく告げた。
「音忍達が去ってから二日、回復に当てたからな……いずれにしても…おそらく、次出会う敵が、ラストチャンスだ。」
サスケはそう言うと、水を汲んでくると言って、立ち上がった。
「………俺はちょっと、あっちの方を見てくる。」
ルナはサスケとは別の方向に消えた。