第31章 死の森
(まさか……死んだのか⁉︎)
サスケは急に不安になって、ルナの脈をとった。
(脈はある。死んではいない。気を失ったのか………レイは大蛇丸となに話してたんだ?
……今はそんなこと、どうでもいいか。とにかく、レイを安静にしておかないと………)
サスケは小さく呻くルナの細腕を自分の首に掛け、胴体に腕を回して、肩を貸しながら思った。
「おい、サクラ、起きろ!」
サスケは未だに寝ているサクラを叩き起こした。
「あ、サスケ君……私、眠ってたのね。って………」
サクラはサスケにもたれているルナを見て目を見開いた。
「レイ君、どうしちゃったの⁉︎それに、この変な模様は?」
「俺にもわからない。ただ、大蛇丸に何かされたらしい。まずはナルトのところに行こう。」
サスケはよいしょとルナに肩を貸し直して言った。
少し離れたところに、ナルトはいた。
「ナルト、起きなさい、ナルト!」
サクラが揺すっても、ナルトは起きなかった。
「サクラ、ナルトに肩を貸せ。取り敢えず、移動する。」
そう言ってサスケは歩き出した。
サスケとサクラは、少し守りやすいところで、ルナとナルトを下ろした。
「俺はトラップを仕掛けてくる。サクラは二人を守っていてくれ。」
「……わかった。サスケ君も、気をつけて。」
サクラはサスケの背中を見送って、ルナに視線を向けた。
「ううっ……」
ルナは顔をしかめ、小さく呻いていた。
サクラはそんなルナの額に、濡れハンカチを置いた。
(レイ君がこんなになるなんて……熱も高いし……)
サクラはルナのいつもにも増して色の白い、綺麗な顔をじっと見つめた。
(ナルトもこんな調子だし………私がしっかりしなくちゃ。)
サクラは周囲の警戒を始めた。