第31章 死の森
少しの逡巡の後、大蛇丸は首を縦に振った。
「……いいわ。その話、受けましょう…………」
「そうですか。ありがとうございます。あ、私がうちはルナだと言うのは、内密にお願いします。
これから俺のことは、皇レイとして扱って下さい。」
ルナはぺこりと礼をして言った。
「ふふっ、変な子ね……わかったわよ。じゃ行くわよ…………」
大蛇丸はそう言うと、ルナの首に噛み付いた。
ズチャッ
嫌な音がして、ルナの首に呪印が刻まれた。
「ふふっ、じゃあね、レイ君。また会いましょう。」
大蛇丸はルナ達が持っていた天の書を燃やすと、不気味な笑みを残して去って行った。
「ううっ……あぁっ…………くっ……」
強烈な痛みに襲われ、ルナはふらりとよろめいた。
(痛いよ痛いよ………でも、サスケのためなら、なんのこれしき……
………それより、作戦が完全成功して良かった。でも、やっぱり痛い〜!)
「ふっ……あはははははははははははははははははははははははははははははっ!」
ルナは痛みを、狂気じみた笑いで発散した。
それでも、堪えきれなかった涙が、ポロポロと零れ落ちた。
(ふぇ〜ん、マジで泣きたい……て言うか大蛇丸、巻物燃やすなよ……)
ルナは今度は歯を食いしばって、痛みに耐えた。
(レイはどうしたんだ⁉︎何だか大蛇丸に噛み付かれていたが……)
やっと動けるようになったサスケが、ふらつきながらもルナに歩み寄った。
「レイ、どうしたんだ⁉︎」
「あはは、サスケか……無事で良かった………ごめん、天の書は燃やされちまった………」
息も絶え絶えのルナはそう言って笑うと、意識を失った。
痛みが我慢の限界を超えたためだ。
倒れるルナをサスケは慌てて受け止めた。
「なっ……おい、レイ!って………」
サスケはルナの首にあるものを発見して絶句した。
(何だこれは⁉︎)
ルナの首には、三つ巴の不気味な模様が浮かんでいた。
「レイ!おい、レイ!」
サスケが幾ら叫んでも、ルナはピクリとも反応しなかった。