第31章 死の森
しかし、漸く動けるようになったサスケは、巻物を取り出し、それと引き換えに退くよう交渉を持ちかけた。
それを見てナルトは激昂する。
「サスケ、テメーなにトチ狂ってんだってばよ!巻物敵にやってどーすんだ!」
サスケはそんなナルトを無視して巻物を投げ渡そうとしたが、
それをナルトが横から掻っ攫っい、サスケを殴り付けた。
そこからはルナは殆ど手を出さず、ほぼ原作通りに進んだ。
(さあて、ここからが正念場だ。)
ルナは五行封印をされて気を失ったナルトをクナイで木に張り付けると、作戦を開始した。
ルナはルナオリジナル幻術、魔声・子守唄の術を使った。
「……償えないのなら……水の底で祈りたい……」
あたりにルナの冷たく静かな、優しい声が響き渡る。
ルナの近くにいたサクラは、すぐに幻術にかかり、眠ってしまい、その場に倒れた。
(なにしてんだ、レイは⁉︎)
それを見て混乱しているサスケもルナの幻術にかかり、強烈に眠くなって地面に倒れたが、辛うじて意識は保っていた。
(物凄く眠い……これは、レイの術か……)
サスケが眼球だけを動かして大蛇丸の方を見ると、大蛇丸までがウトウトしていた。
(大蛇丸がハマるなんて……やはり……)
サスケが意識を保っていると気がついていないルナは、歌うのをやめると、大蛇丸にチャクラを流し、幻術を解いた。
(レイ、どういうつもりなんだ⁉︎)
それを見てサスケは、眠過ぎて動けないながらに慌てた。
「あら、どうして私だけを起こしたのかしら……」
(このワタシに幻術をかけるなんて……この子、デキるわね……)
目が醒めた大蛇丸は、幻術にかけられたことに対する驚きを顔に出さずに、ルナに訊いた。
「大蛇丸さん、あなたに交渉があります。そのために、大蛇丸さんだけ起こしました。
他の人はこの幻術から醒めるまでもうしばらくかかりますから、その間は一対一でお話しができます。」
「あら、あなた、私の目的を知ってるのかしら……まあ、いいわ。聞いてあげましょう、交渉とやらを。」
(ふふ、どういうつもりか知らないけれど……面白い子ね……ノーマークだったわ。)
大蛇丸は不気味に笑って言った。