第31章 死の森
(そろそろ来るな。)
ルナがそう思った瞬間、凄い強風でナルトやサクラが飛ばされた。
ルナはサスケにギュッと抱きついて、はぐれないようにした。
ここで離れては作戦が瓦解する可能性があるからだ。
(大蛇丸……サスケに呪印なんて刻ませない!)
ルナは今一度、胸の中で誓った。
(レイ⁉︎……確かにこれならはぐれねぇけど……ナニ考えてやがるんだ⁉︎)
サスケはルナの行動が合理的であることを認めながらも、突然の抱きつきに混乱していた。
強風が止むと、あたりにはルナとサスケしかいなかった。
今やルナの影分身六体が、迷彩隠れの術を使って姿を隠し、円陣を組んでサスケを守っていた。
「大丈夫か、サスケ?」
ルナはサスケの顔を覗き込んで訊いた。
「あ、ああ。それより、早く離れろ。」
(コイツ近くで見ると本当に姉さんに似てるな……)
サスケは顔を僅かに赤らめて、ルナから目を逸らした。
「はいはーい。」
ルナはサスケの赤面には気がつかず、素直に離れた。
同時に、六体の影分身はそれぞれ別の方向に離散し、新たな状況に備えて待機した。
「サスケ君!レイ君!」
サクラが草陰から出て来てサスケとルナに駆け寄った。
「サクラか!待て!まずは合言葉だ!」
「あ、うん。」
サクラは長ったらしい合言葉を完璧に唱えた。
「よし。」
サスケはホッとしたようでサクラと合流した。
ルナの方は、徐々に近づいて来る大蛇丸のチャクラを感じて、緊張がピークに達していた。
(ここから先、些細なミスが命取りになる!)
ルナは無意識に、ごくりと生唾を飲み込んだ。