第31章 死の森
ナルトのチャクラがある位置に到着すると、縄でぐるぐる巻きにされたナルトがいた。
「おーい、大丈夫か、ナルト?」
ルナはそう言いながらクナイで縄を切った。
「レイ、サンキューだってばよ!」
ナルトはすぐに立ち上がって元気に言った。
「じゃ、ナルト、俺について来い。サスケとサクラは戦闘中だ。」
ルナはそう言うと、ナルトを先導してサスケの元に帰った。
「サスケ、サクラ、帰ったぞー……って。」
ルナとナルトが帰って来ると、戦闘は既に終わっていた。
「サスケ、あの変化がド下手な奴は?」
「俺とサクラにやられて逃げて行った。」
(勝手にいなくなってんじゃねーよ……でもま、いいか……)
サスケはフン、と言いながらぶっきらぼうに言った。
ルナが何も言わずにナルトのところへ行ってしまったことに拗ねているのが半分、
信用されその場を任されたことへの何かくすぐったい気持ちが半分だった。
「はっはは、そうか。よかった!」
(波の国での組手効果かな?だとしたら嬉しいな〜)
ルナは原作からのズレも気にせず、サスケとサクラの無事を喜んだ。
ルナが色々考えていると、サスケが喋り出した。
「次、いつ、さっきのようなことがあるかわからない。一旦はぐれたときの合言葉を決めておく。」
そしてサスケは、原作通りの長い合言葉を言った。
やはりナルトは憶えられなかったようで、ワタワタしていた。
(大丈夫、ナルト。この班の誰も、今のをナルトが憶えられるなんて思ってないから。)
ルナはナルトを横目で見ながら思った。
(大蛇丸のチャクラが近い。そろそろか。)
ルナがサスケを守るという固い決意を胸に、気を引き締める。
首筋を撫でる生温い風が、今は不穏に感じられた。