第31章 死の森
五分も経たないうちに森に悲鳴が響き渡り、七班一行は体を強張らせた。
「今の、人の悲鳴よね……な、なんか緊張してきた。」
サクラは怯えたように呟く。
「ど、どうってことねえってばよ!サクラちゃん!」
そう言うナルトも内心はガクガクブルブルだった。
「…………」
サスケはべらべらと喋っている仲間を尻目に、油断なく周囲を警戒していた。
「そぅ?結構ステキなところだと思うけどなぁ。」
ルナだけが死の森に親しんでいた。
「……俺ってばちっとしょんべん……」
「レディの前で何晒そうとしてんのよ!草陰行きなさいよ!」
「へ〜い……」
ナルトはサクラに怒鳴られて、草陰に入った。
「あーすっげーでた!スッキリー!」
しばらくしてナルト(?)が戻って来た。
(これ、偽物なんだよね〜)
ルナは原作を知らなくても偽物だとわかるミスをしている受験生をチラッと見て、溜息を吐いた。
「だからレディの前でそういう……」
サクラが再びナルトを怒鳴ろうとする。
だがそれよりも早く、サスケがナルト(?)を蹴飛ばした。
ナルト(?)は吹っ飛ばされて木に激突した。
「サ、サスケ君⁉︎いくら何でもそこまでしなくても……」
慌てるサクラに、サスケは、アレは偽物だ、と教えると、変化を解いた偽ナルトと戦闘を始めた。
(ふぅ。サスケは平気そうだし、私は早いとこナルト連れてこよーっと。)
ルナはそれを確認すると、影分身を一体出して迷彩隠れの術を使わせて監視を任せ、ナルトを探しに行った。