第29章 中忍試験開幕
数日後、ルナ達第七班は、カカシに呼び出されていた。
(中忍試験か……ここが勝負どころだな……)
なかなか来ないカカシを待ちながら、ルナは大蛇丸対策を練りだした。
(まず、呪印を防がないと……でも、それだけじゃダメ。大蛇丸がサスケを狙わなくなるような、何か……………
………あ、私の正体を教えて、私が呪印を受ければ良いんだ!絶対、食いつくよ、アイツ!
もしそれで正体がサスケにバレても、大蛇丸がサスケを狙わなくなれば、何の問題も無いし。
イタチ兄さんには怒られそうだけど……ま、大目に見てもらえることを祈ろう。はっはは、これで決まりだ!)
ルナはカカシが来ないと言ってギャーギャー言っているナルトとサクラを見ながら、微かに笑った。
数時間後、やっとカカシがやって来た。
「やー、悪いね、諸君!大きな荷物を持ったおばあさんがいてね……」
「はい!嘘!」
ナルトとサクラが声を合わせて言った。
「まあまあ、そう怒んなよ。はいこれ、志願書。」
「志願書?」
ナルトとサクラが訊いた。
「今度、中忍試験があるだろ?その志願書だよ。」
カカシが手に持っている紙を四人に配りながら言った。
ナルトはほんの少しの沈黙後、
「カカシ先生!マジサンキューだってばよ!」
と言って、カカシに飛びついた。
「うおぁっ、ちょっ、離れろよ…」
カカシはそう言いながらも、目はちょっとニコニコしていた。
「まあ、参加するかしないかは、個人の自由だ。自分で決めると良い。
参加するヤツは、明日アカデミーの301教室に来い!じゃ!」
そう言ってカカシはいなくなった。
ルナはサクラが迷っているのに気がついたが、今は何を言っても仕方ないと思い、黙っていた。
「じゃ、俺も帰るぜ。みんな、明日な!」
ルナはそう言って瞬身で去って行った。
後に残った三人は、
「レイは何で全員参加する前提なんだ?」
と首を捻った。