第28章 子守任務
「よーレイ、サスケ!カカシ先生は少し後で来るって言ってたってばよ!」
「フン、だからなんだってんだ。」
「だってさ、だってさ!遂にカカシ先生のマスクの下が見れるんだぜ!気になんねぇのかよ!」
「別に。」
「なんだよ!じゃあ、レイは?って………」
ナルトはルナの苦しそうな表情を見て、動きを止めた。
「………レイ、どうしたんだってばよ?そんな顔して…どっか痛いのか?」
「えっ?」
(まずい!顔に出てたか!)
ルナはナルトに指摘されて初めて、自分の表情が無表情でなかったことに気がついた。
「……ははは、なんでもねぇよ。これは………へ、変顔の練習さ!」
ルナはパッと笑って、苦しい言い訳をした。
ナルトはそれを聞いて、なるほどー、と言っていたが、サスケは、絶対嘘だろ、と言いたげな顔をしていた。
そして、その原因が自分の発言であったことに気がついた。
(悪いことしたな………レイにも訊かれたくない事くらいあるよな………)
サスケは少し反省した。
ルナはサスケの視線には気がつかないふりを決め込んだ。
ナルトがルナの隣に入り、ルナはサスケとナルトに挟まれる形になった。
ルナは気まずくて、ずっと俯いていた。
そこへ、男湯の扉が開く音がした。
それに気がついたナルトは、後ろを振り返って、入り口を見た。
そして、カカシを発見し、叫んだ。
「ああー!カカシ先生、何タオルなんて巻いてんだってばよ!見えねぇじゃんか!」
ナルトのその一言で、ルナは重要なことに気がついた。
(カカシ先生は成人男性じゃん!忘れてた!しかもタオル巻いてるのって、多分顔だし!ヤバイ!絶対見たくない!)
ルナは膝を抱えて身を縮めた。
カカシはそんなルナの気も知らず、ルナの向かいに入って来た。
ルナは目をギュッとつむって、カカシの身体を見ないようにした。
カカシはルナがうずくまって小さくなっているのを見て、疑問を持ったようだった。
「ん?レイ、何縮こまってんの?」
「あー……ちょっと寒くて………」
ルナは姿勢を維持したまま、またもや苦しい言い訳をした。