第28章 子守任務
「逆に、レイは誰に習ったんだ?」
「うーん、歌かるたは、学校で。麻雀は、家族みんなでやってたぜ?」
ルナは前世の楽しい思い出を思い出して言った。
「ふうん……風の国の学校は変わってるな……」
「……はは……まあね。」
ルナはお茶を濁した。
「………ところで、レイはなんで引っ越して来たんだ?」
サスケがそういえば、という風に訊いた。
時期的にはむしろ遅すぎるくらいだった。
「あー……両親が、死んでね………親戚も、火影様の他にいなかったから…………」
ルナは少し答えづらそうに言った。
当然だ。
ルナの両親はルナの犠牲になり、養い親だったサスケの両親を殺したのは、ルナなのだから。
本当なら、今すぐ自分の罪を懺悔して、イタチの代わりにサスケの復讐対象になって、サスケに痛めつけて欲しかったが、
サスケを大蛇丸から守るという目的を遂行しないうちは、そうする訳にはいかなかった。
(ごめんね、サスケ。時期が来たら、全て話すから。)
いつの間にか、ルナの表情は苦悩に満ちたものになっていた。
呼吸も少し浅くなり、目からは完全に光が消えていた。
サスケはルナが苦しそうな表情をしているのには、気がつかなかった。
「そうか……レイ、訊いて悪かったな…………俺もそうなんだ。
だから俺は、アイツを殺すために、強くなんなきゃなんねぇんだ……………」
サスケは前だけを見たまま呟いた。
サスケのどこか寂しげな呟きが、ルナの胸に突き刺さった。
「…………そう、か……」
ルナは、『サスケの両親を殺したのは私だ、だから私を殺しなさい』と叫びたいのを、歯を食いしばって、なんとか堪えた。
(黙っているのがこれほど苦痛だったとは………)
ルナは自分の精神の弱さが嫌になった。
なんとなく話し辛くて、サスケとルナが黙り込んでいると、ナルトが入って来た。