第28章 子守任務
「梵天丸様、持って参りました。」
「うむ、ご苦労。読み手は誰がやるのじゃ?」
「私は歌かるたを全く知らないので、私が…………」
カカシが名乗り出た。
「おお、そうか。では、頼んだぞ。」
「じゃあ、札を広げますね〜」
ルナは前世でやっていた並べ方(源平戦)で、札を並べた。
自然に、ルナ、サスケチームと、梵天丸、サクラ、ナルトチームに分かれた。
「では、試合開始じゃな。カカシ、なんでも好きな札を読むのじゃ。」
「はい、では。
む……………」
バシッ!
「……霧立ち上る秋の夕暮れっ!」
梵天丸が札を弾き飛ばした。
サスケ、ナルトは、まだ読み終わってないのに、と言う顏をしていた。
「おおー、梵天丸様。お早いですね。」
ルナは梵天丸を持ち上げた。
「……………サクラちゃん、どう言うことだってばよ?」
よくわかっていないナルトは、多少の知識があるサクラに訊いた。
「歌かるたには、決まり字と言うのがあって、和歌の初めの一文字だけで、取り札がわかっちゃうことがあるのよ。」
サクラが大雑把に解説した。
「では、次行きますよ。
せ……………」
バシッ!
「…割れても末に会わんとぞ思う!」
今度はルナが取った。
「おお、レイ、やるな。褒めてつかわす。」
「いえ、それほどでも。」
梵天丸が予想以上にデキル子供だとわかったルナは、ほどほどに札を取ることにした。
(まあ、ずっと一人で取ってても、つまんないだろうし。)
カカシ達は、
(レイはなんだか、楽しんでるみたいだな………)
と、ルナを横目で見た。
「カカシ、早く次を読むのじゃ。」
「はい、すみません。では。
朝ぼらけ…あ………………」
バシッ!
「…吉野の里に触れる白雪っ!」
梵天丸が取った。
その後も、梵天丸とルナが札を取っていき、サクラ、サスケ、ナルトは、完全に置いて行かれた。
梵天丸とルナは、他の四人を放って、楽しんでいた。