第27章 新顔披露
ルナがタズナの家に帰ると、カカシが、
「レイ、ちょっと話がある。」
と言って、ルナを外へ連れ出した。
「なんですか、カカシ先生?」
「……再不斬達はどうした?」
(あの後、どんなに探しても見つからなかったが…殺したりしてないだろうな……)
「ああ、再不斬さん達は、またどこかに旅に出るそうです。さっきお見送りして来ました。」
ルナはしれっと嘘を吐いた。
「………そうか、じゃあ、もう一つ。俺が雷切でつけた傷は大丈夫なのか?」
カカシはルナの腹のあたりをチラリと見ながら言った。
「ええ、お面の子……白さんが、医療忍術で、完全に治してくれました。」
ルナはまた嘘を吐いたが、罪悪感は全くなかった。
ルナは、目標を達成するためなら、多少の嘘は致し方ない、と考えるタイプだった。
「そうか……あの傷でよくあれだけ動いたな。大したものだ。ところで、レイ………
………再不斬達が来ても、一人で戦うなと言ったよな?」
カカシはちょっと怖い顔をして言った。
「はっはは、すみません……でも、俺が戦わなかったら、あそこにいた非戦闘員の労働者が犠牲になったでしょう?
俺は自分に刃を向ける者を助ける気はあまりありませんが、無関係の人が死ぬのはイヤなんです。」
ルナは苦笑いして言った。
(なんだ、レイ…まともじゃないか………殺しに慣れているのは、今まで沢山危険な目にあって来たから…?
体術が叩き上げって言うのは、攻撃してくるヤツを自分で倒して来たから……?
だとしたら、疑って悪かったな……)
「そうか……どうやら、謝るのは俺達の方のようだ。
俺達が来るのが遅かったがために、お前を一人で戦わせてしまった。」
そう言って目を伏せるカカシに、ルナはククッと笑いながら言った。
「別に良いんですよ、カカシ先生。チームワークを破ったのは、俺の方です。
だって、チームワークって言うのは、個人が全体に合わせるものでしょう?
だから結局、悪いのは俺なんです。」
それは、聞きようによっては、辛辣な皮肉にも聞こえて、カカシは、
(皇レイ…コイツは今まで、どんな生き方をして来たんだろうな……)
と、ルナに更に興味を持ってしまった。