第26章 再戦
やがて、再不斬がガトーの首を切り落とした。
力尽きた再不斬は、ルナに支えられて、白の元に帰って来た。
「白よ……ずっと側に居たんだ……せめて最後もお前の側で……
………できるなら……お前と同じところに……行きてェな……俺も………
…………………………もう、さよならだよ白……今まで悪かったなぁ…………」
白の隣に膝をついた再不斬は、白の頰に触れた。
そして次の瞬間、驚いて目を見開いた。
(温かい!)
ルナがこっそり白の金縛りの術を解くと、白が目を開けた。
「再不斬さん……寝ているときに再不斬さんの声が聞こえました………ありがとうございます。」
白は寝ているときに聞いた再不斬の告白を思い出して言った。
「白……」
再不斬の目に嬉し涙が溜まる。
「ね、白さん、本当のことがわかって、よかったでしょ?」
ルナはさっきガトー軍団を屠った人物とは思えないような優しい笑顔で言った。
この状況を作り出せたことを、ルナは心から喜んでいた。
再不斬と白の感動のシーンに、その場の空気が緩んだ。
そこへ、間も無くガトーの残党、数百人が武器を手にやって来た。
「あーあー、お前ら、金ずる殺してくれちゃって。」
「こうなりゃ、俺ら的には暴れて町のもの根こそぎ持ってくしかないね!」
「Let's begin!」
それを聞いてカカシは慌てた。
「マズイ!戦えるほどのチャクラは残ってない!」
再不斬はもちろん力を使い果たしている。
白も、魔鏡氷晶を使ったため、殆どチャクラ切れだ。
それを見て笑みを消し、ルナは一人で、敵に向かって一歩踏み出した。
「やめろ!レイ!いくらお前でもこの人数相手に一人は無理だ!」
(レイ………あんな身体で………無茶だ。)
カカシが叫んだ。
「大丈夫ですよ、カカシ先生。すぐに増援が来ますから。」
(ふふっ、"カカシさん"………このうちはルナが、あんな雑魚相手に、負けるとでも?)
ルナは振り向き、そう言って微笑むと、また前を向いて残党のところへ歩いて行った。
カカシ達はルナを止めることもできず、その背中をただ見ていた。