第26章 再戦
ナルトは納得が行かなかったようで、再不斬に向かって喚く。
「コラお前!なんとか言えよ!仲間なんだろ⁉︎」
「黙れ小僧。白はもう死んだんだ。」
再不斬はナルトに一瞥もくれずに言った。
「お前、あんなことされて何も思わないのかよ⁉︎お前ってば、ずっと一緒だったんだろ⁉︎」
ナルトは憤慨したように叫んだ。
(どうやら、みんな白さんが死んだと思ってるみたいだな……ナルトは脈の取り方も知らないのか………
………ま、好都合だからいいけど。)
ルナは取り敢えず作戦が成功したことを一人で祝った。
「ガトーが俺を利用したように、俺も白を利用しただけのことだ。言ったハズだぞ……俺達忍はただの道具だ。
俺が欲しかったのは、あいつの能力で、あいつの自身じゃあない。あいつに未練は………無い!」
「お前ってば、本当にそんなこと思ってんのか⁉︎」
再不斬に食ってかかるナルトを、カカシが止めた。
「やめろ、ナルト。もうこいつと争う意味はない。」
「うるせえ!俺の敵はまだこいつだ!」
ナルトはカカシを振り払って言った。
「あいつは……あいつはなあ………お前のことが本当に好きだったんだぞ!あんなに大好きだったんだぞ⁉︎
それなのに……本当に何にも思わねえのかよ⁉︎お前みたいに強くなったら、本当にそうなっちまうのかよ⁉︎
あいつはお前のために命を捨てたんだぞ!自分の夢も見れねえで……道具として死ぬなんて……そんなの……………
……………辛すぎるってばよ……」
ナルトは初めは怒鳴っていたが、最後には泣いていた。
(私は、イタチ兄さんを守ることが夢だけどね…………ってあれ?それじゃ白さんと一緒か。
自分の夢………自分の夢…………うーん、無いかも?
……ねえ、ナルト……自分の夢、って、なんなんだろうね……いや………
……………私はこのままずっと、知らないままの方がいいや………どうせ見られないし、見る資格もないし。)
ルナはナルトに触発されて、夢について考えたが、虚しくなってすぐにやめた。