第26章 再戦

「……カカシ、済まないな。戦いはここまでのようだ。」

再不斬が勢いのない声で言った。

「！」

カカシは再不斬の言葉に驚いた。

「タズナを狙う必要が無い以上、お前と戦う必要も無い。レイの言った通りになったな。」

(皇レイ………なぜお前は、危険を冒してまで俺を庇った？)

頭に浮かんだ疑問を口には出さず、再不斬がカカシとルナを振り返った。

「ああ、そうだな。」

(レイ………さっきの怪我…………かなり重傷だろうに…………

…………普通に立ってるが、大丈夫なのか？)

カカシは、雷切を食らっているのにふらつきもしないルナを見ながら同意した。

(あー、良かった。二人とももうドンパチする気は無いみたい。

後は、ガトーの手下を始末するだけ……………ここまで来れば、もう殆ど作戦成功したも同然だ………)

ルナは、再不斬とカカシが戦意を失くしたことにホッとした。


「そういえば……」

ガトーは醜い顔をして白に歩み寄った。

「コイツには借りがあったな。俺の腕を折れるまで握りやがって。死んじゃってるよ！」

そう言って寝ている白を蹴り飛ばしたガトーの前に、ナルトが立ちはだかった。

「っ〜〜テメエ！」

サスケとサクラも、白を移動させてガトーを睨んだ。


「ナルト！あまり挑発するな！敵の数を見ろ！」

カカシがその様子を見て叫んだ。

「っ～～何でだってばよ⁉︎カカシ先生！」

ナルトが感情的に喚く。

「今の俺たちにはもう殆どチャクラが残っていない！

それに、レイが怪我をしてる。挑発して攻撃されたらどうする！」

カカシが、赤く染まった服の上から腹を押さえているルナを指差し、叫んだ。

「…………」

ルナはチャクラ切れも起こしていなかったし、怪我はもう完全に治っていたが、

再不斬から白への思いを引き出すために黙っていた。