第26章 再戦
「俺達の任務は、タズナさんの護衛であって、再不斬殺害ではありませんよね?」
ルナはカカシの剣幕にも全く臆さずに訊いた。
「……」
(それは確かにそうだが……)
カカシはルナの予想外の発言に言葉を失った。
「へっ、お前、白より甘いヤローだな。」
再不斬は拘束されながらも、ルナに言い放った。
「甘い?俺が?」
ルナはそれを鼻で笑った。
(もし今回の敵が貴方がたじゃなかったら、とっくに殺してましたけどね。)
「俺が再不斬さんを庇ったのは、もう戦う必要がないからです。」
「……何故だ?」
カカシがルナに訊いた。
「ガトーが裏切る。再不斬さんと白さんを殺しに来ます。」
ルナはすぐ近くに大人数の気配を感じながら言った。
雷切で食らった傷は、もう治りかかっていた。
「ガトー!」
タズナがガトーに気づいて叫んだ。
それを聞いて、ルナは金縛りの術を解き、再不斬を自由にした。
「ガトー、どうしてお前がここにいる?」
自由になった再不斬が、ガトーを睨みながら言った。
それにガトーが卑しい顔をして答える。
「お前を殺しに来たに決まってるだろ?元々お前達に金を払う気なんか毛頭ないからねぇ………
正規の忍を雇えばやたらと金がかかる上、裏切れば面倒…………
だからわざわざ抜け忍のお前達を雇ったのさ!
忍同士の討ちあいで弱ったところを、数でもろとも攻め落とす。
金のかからんいい手だろう?」
再不斬はそれを聞いてルナの方をチラっと見た。
(レイの言ったことは正しかったか………)
(ぎゃー!再不斬さん、怖いからこっち睨まないでー!)
ルナはそっぽを向いて、再不斬の視線を受け流した。
「ま、一つだけ作戦ミスがあったとすれば、再不斬、お前だ!霧隠れの鬼人が聞いて呆れるわ!
なんだ、そのザマは?俺に言わせりゃあなんだ……ただの可愛い小鬼ちゃんてとこだなー?」
「…………」
ガトーの言葉に、再不斬がギリギリと歯を軋ませる。