第26章 再戦
夢という言葉に白が反応した。
「………僕にとって忍になりきることは難しい。出来るなら君達を殺したくないし、君達に僕を殺させたくもない。
けれど君達が向かってくるなら……僕は心を刃で殺し、忍になりきる。
この橋はそれぞれの夢へと繋がる、戦いの場所。
僕は僕の夢のために、君達は君達の夢のために……恨まないで下さい。
僕は大切な人を守りたい……その人の為に働き、その人の為に戦い、その人の夢を叶えたい………それが僕の夢。
その為なら僕は忍になりきる。あなた達を殺します。」
白が仮面の下から言い切った。
それを聞いてルナは、
(白さんと私ってスタンスが微妙に似てるな……ま、私はイタチ兄さんを死なせる気無いけど。)
と思った。
しばらくして、あたりに濃霧が立ち込め、カカシと再不斬の戦いが始まった。
白とサスケの方は、サスケに千本が刺さりながらも、白の攻撃は徐々にサスケの読みの範疇に入っていた。
「君は……よく動く……けれど、次で止めます。」
白が千本を握りながら言った。
(来る!落ち着け……集中しろ……そして見切れ!)
その次の攻撃で、サスケは白の攻撃を完全に見切った。
そして、サスケは写輪眼を開眼していた。
(キターーーーーー!よし、さっさと鏡ぶっ壊そう。)
サスケの写輪眼開眼に歓喜しながら、ルナは白の鏡に攻撃した。
「灼遁・小恒星の術!」
ルナが吐き出した、ギラギラと赤く光る球体が、白の鏡をあっと言う間に溶かしていった。
それを見て白とサスケは酷く驚いた。
(あれは……血継限界⁉︎)
(レイのヤツ……なんで最初からアレ使わなかったんだ?)
「ふっ……どうやら、ここまでのようですね。」
白が仮面を外して言った。
それにサスケが動揺していた。
「レイ君、僕を殺して下さい。」
白が悲しそうな顔で言った。
「なんで?」
ルナは白から言葉を引き出す為に、分かりきっていることを訊いた。
「よく勘違いしている人がいます。倒すべきときに倒さず、命だけは見逃そうなどと………
君は知っていますか、誰からも必要とされず、ただ生きることの苦しみを…………」
「さあね。でも、俺は君を必要としているよ?」
ルナはニヤッと笑って言った。